はじまりの物語
初めて朱莉に会ったのは幼稚園の頃だった
朱莉は俺にずっと着いてきて
妹みたいな存在だった
よく俺の家に来ては
一緒にぷよぷよをして遊んでいた
朱莉は物語の序盤出てくる
骸骨のキャラクターが怖くて
それ以上進めなかったっけ
そして同じ小学校に入学した
クラスも同じだった
一緒の幼稚園の人も多かったけど
やっぱり新しい場所には緊張した
初めのうちはずっと朱莉と一緒にいたけど
だんだん男女を意識してきたのか
お互い同性の友達を作って会う機会も減った
2年、3年とクラス替えでクラスも離れ
思い出は泡のように消えていった気がした
それでも4年になった時
同じクラスになれた俺は朱莉に話しかけた
でも朱莉はすっかり変わった様子で
簡単な挨拶を交わしただけで終わってしまった
俺も噂されるのが怖くそれ以上は何も出来なかった
でも事件は起きた
同じ年のクリスマス前
突然朱莉から電話がかかってきた
普段マイペースな朱莉とは裏腹に
凄く焦った様子で事情を伝えてきた
父親の転勤で年始すぐにはスペインに引っ越す
でももう一度あなたに会いたい
電話を切る音に身を任せて
俺は何も言えなかった
携帯を閉じたあとも何も考えられなかった
朱莉がスペインに行ってしまうのは理解出来たが
どうして俺に会いたいのか
その日は一晩中寝れなかった
クリスマス当日
約束した時間
約束した場所で朱莉は待っていた
妙にお洒落をしていて
普段学校で見る朱莉とは違うように感じた
これ以上先が読みたいのなら
年齢確認が必要です
ご精読ありがとうございました