腕時計
本当に辛い
イヤホンから流れる
大好きなバンドの曲でも
嫌になる夜
吐き気がして
イヤホンを外す
寝静まり返った住宅街
もうすぐ電車の音も止むくらいの時針に
冷たさを感じる
腕時計を耳にあて
秒針の音を聞くと
何故か妙に落ち着く
在り来りなコンビニの
たわいないバイトとの
些細な会話が
泣きたくなるほど
幸せにしてくれる
この世で一人になることなんてない
一人になんてなれない
そう言い聞かせてくれるこの街に
たとえ君が居なくても
ただ生きてる心地を感じる