夜空に輝く歪みと迸り
顔の赤いサラリーマンが倒れて寝ている
湿った風に吹かれながら
キラキラした何かが拭かれる
流されがちなタピオカを片手に
飲み干せない真顔の女子高生
簡単な誘いでは飲んでもくれない
変わらない赤信号に
焦れったい汗も乾いていく
コンビニの光が暗く見える今日も
夜空の星がギラギラと輝いている
鉄球の音がギラギラと騒いでいる
流れ星に歪んだ願いを込めるその手は
赤く熱く湿っていた
終電に走る高校生と
終電に奔る大学生の
揺られながら揺られる揺れには
年齢確認も怠ってしまう
消える6300円と深夜料金の高さに
ビジネスしてないビジネスホテルと
ビジネスしてる非ビジネスホテルとを
比較しては揺られてしまう
今日は
灯りのつかない無賃泊と
灯りのつく4700円と
迸りの突く6300円と
1700-890=計算分からないけど
取り敢えずホテル代くらい払えよ
時給の低さと単位の遠さに
嘆く暇もない
履歴書の嘘が滲んでいく
今日は灯りのついた2人だけの1Kに
真っ直ぐ帰ろう