6月7日
歪んでいく空を見上げて君は言う
赤くはなるけど緑にはならないよ
緑の空に浮かぶ黄色い雲を見上げて僕は言った
それは幽霊の仕業なのかもね
現に横切ったバイクを見下ろすベランダの隅に
最後の桜が枯れている
カレルカレル
囁く森はだんだんと赤くなっていく
喚く森はだんだんと青くなっていく
明るいうちにコンビニでも行こうか
そういえば靴を切らしてたんだっけ
紫色の太陽に見守れながら歩く2人はまるで
鬼のように
すごく苦しかった
息が出来ない
肺が潰れる音がした
口から滴る青い液体を手で押えて
あ、そいえば卵の消費期限明日までだからね
あ、でも君の消費期限は今日までだけどね
君といた夏は忘れられないよ
ベランダの雪だるまはとっくに溶けて
窓に滴る水は熱い夜を冷やしてくれた
君を置いて
私だけの世界は回っていく
ねえなんか冷房つかないんだけど
リモコンの電池きれてるんじゃね
あ、ほんとだついた
よかった
本当によかった