分針
時計を眺めてみても
部屋の隅に座ってみても
ベランダの外に出てみても
夜空を見上げてみても
君といたあの時間は戻ってこなくて
時計の針と一緒に
過去に囚われている自分が
時間に囚われていく
スマホを手に取っても
LINEは開けなくて
Twitterを開いても
君をミュートしてしまう
君から何かしてくれるなんて
御伽噺の世界の話なのに
気づけなくて
気づかなくて
気づきたくなくて
縛り付けられる現実から
闇雲に逃れようと
馬鹿みたいに新しいこと始めて
無理矢理にでも忘れようとして
気づいた時にはもう遅くて
また後悔して夜も泣き通して
寝てないのに目覚められない
眠くないのに起きてられない
曖昧な世界を彷徨って
君の足跡を探し回って
見つけた時には
また違う世界が広がっていて
涙が枯れる前に
縄に手を掛けた