六畳間物語 #1
図書室の奥の空き教室
図書準備室みたいな
古い本とダンボールが積み重なるその奥に
何故か畳が敷いてある
居眠りの罰として掃除をしていたが
なかなかいい場所を見つけた
昼休みはここで毎日のんびりしようと…
『柳瀬くんだよね、ここで何してるの?』
クラスの女子が突然話しかけてきた
名前も知らないクソビッチがなんで俺なんかに
『見たらわかるだろ、パン齧ってんだよ』
『ここ汚くない?埃舞ってるけど…』
『お前が来たからだろ、何の用だよ』
『柳瀬くんがこの空き教室入ってるところ見ちゃってさ、何してるのかなーって気になって』
『あっそ、分かったならもう帰れ、お前みたいなやつが来る場所じゃない』
『お前みたいなやつって、失礼しちゃうなあ…ね、私も明日からここでお昼食べていい?』
『は?ふざけんなよ俺が見つけた場所だぞ』
『学校はみんなのものでしょー、ましてや公立なんだから国のものだよ』
『ちっ、仕方ねえな…』
『ありがと柳瀬くん! あ、私は佐倉朱莉、よろしくね!』
『ああ。』
『ほら早く食べないと授業始まるよ』
『お前が邪魔してんだろ』
『あははは、ごめんごめん』
『まったく、ふざけやがって…』
2人だけの何かが始まった